日本語版 / 第九章

 
そのふたりは、セント・ジョンを導いて、「全ふわっ。」をもう一度かけてあげた。

そして、ふたりも、そうした。

そして主人は、部屋にとどまった。もちろん。

「見てるからね。」彼は言った。「現在時空のセント・ジョンの国へGo!」

彼の国は、アメリカだった。

彼の死体はすでに熱帯雨林の中で朽ちていたが、彼には新しい肉体があった。

より健康で、よりハンサムになっていた。

アメリカ西部に、3つの光は飛んでいった。

「ほら、見えるかな?」

「わ。うちのマスターのおうちよりもめっちゃでっかいよ。」ふたりが言った。

「でっかい裏庭まである!」ちっこいほうが言った。

彼(セント・ジョン)は、玄関先の近くの地面に降り立った。

「すこし緊張する。わかってもらえるかな。」セント・ジョンが言った。

二羽の鳥が、うれしそうにセント・ジョンの家の屋根の上を飛んでいた。

「帰ってきたよ!帰ってきたよ!」二羽の鳥が言った。

隣の犬が彼に気づいて、吠えた。

「いなくて寂しかったよ、ジョン!」その犬が言った。

しかし、彼の耳に届いたのは、鳥の鳴き声と、犬が吠える声だけだった。

彼は、チャイムを鳴らそうとした。

人差し指はチャイムの中に沈み、彼は触れることができなかった。

「がーん。まだ死んでるみたいだ。」
そのとき、主人は彼に言った。「『くるくる。』2回かけたかい?」

「それだ!」セント・ジョンが言った。「まだ。」

彼は2回、「くるくる。」をかけた。

チャイムが鳴った。

「ハロー。僕だよ。母さん?」

母親には、それがセント・ジョンであることがすぐにわかった。どうして彼の声を忘れることができようか。

彼女はセント・ジョンが帰ってくるのを心待ちにしていたが、政府は悲しい知らせを送ってきていたのだった。

はじめ、彼女は、聞き間違えたのかと思った。

でも、彼女は、チャイムが鳴ったのだということに気づいた。

「もしかして・・・セント・ジョン?」

「僕だよ!!」セント・ジョンが言った。「ただいま。」

彼はわっと泣き出した。

「超寂しかったんだ。熱帯雨林の中で、母さんの夢を見てたよ。」

彼女は、一人息子の肌を感じていた。涙でぬれていた。

「おかえり、セント・ジョン。」母親は、とても小さな声で言った。

それだけ言うのが精一杯だった。そして、彼女もまた、こらえていた涙を流し始めた。

とても長い時間だった。

ふたりにとって、とてもとても長い時間だった。

彼女は、いつか、セント・ジョンに会うのだという意志を決して手放さなかった。

その望みはかなった。

幼少より、セント・ジョンは、学校でどの男の子よりも強い子だった。
そして彼はキャプテンとして野球のチームを率い、チームは、地区トーナメントで優勝した。彼が18歳の時である。

「マスター?」セント・ジョンが言った。「ここにいてもいい?」

主人はとても強く感動して、指でタップをした。

「よく頑張ってるもんね。オッケー。完全体を持ってていいよ。」

「セント・ジョン、聞こえる? もっかい、生き返らせてあげる。」

彼はタップした。

「もう大丈夫だよ、セント・ジョン。」主人が言った。

「ありがとう! リクエストがあるんだけど。母さんを長生きさせてもらえませんか。」セント・ジョンが言った。

「長生き? 超簡単だよ。」主人が言った。「お母さんに『ふわふわ。』をかけて、また身体をリビルドしちゃえばいいんだよ。オプションつけてね。たとえば、『より若く、より健康的に、そして、しわはなしで!』って。」

「そして?」

「『リビルド』って言って、お母さんの頭のてっぺんをタップするんだ。」主人が言った。「2回、『くるくる。』かけるの忘れないでね。」

セント・ジョンは、ちっこい二人の助けを借りてやってみた。

彼の母親は、より若く、美しくなった。

「ありがとう。ありがとう!」母親が言った。

二羽の鳥はその奇跡を見ていた。そして、教会の方角へ向けて飛んでいった。

「セント・ジョンが帰ってきたよ。セント・ジョンが帰ってきたよ。生きてるよ!」

木々はその声を耳にした。そして、彼の付き合っていたお友達は、何かいいことが起こっているのを感じていた。

その村は、強い光で包まれていた。

そう。

こっそり、ジョーとケイティーが彼をつけていたのだった。


つづく。

Written by Masato Iwakiri
 
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